印刷用語
DTP用語
DTP
机上印刷ということで、ワークステーションやパソコンを利用してイラストなどの作成から写真の入力・編集・組版・出力までの印刷の一連作業をおこなうシステムのことをいいます。もともとはMacintoshと作成したデータの画面表示と出力が一致するという意味のWYSIWYGを前提とした言葉でした。
版下(はんした)
レイアウトに従って正しい寸法に紙台紙を引き、センタートンボも入れ、所定の位置に文字、イラスト、画像を貼り込んだもので、製版にかかる直前の原稿のことです。DTPでは、パソコンのモニタ上で版下を作成するため、作成したデータがそのまま版下となります。
モアレ
重なり合う網点が引き起こす干渉縞のことです。モアレが出ている場合は、各版のスクリーン角度を調整し、モアレが最小限に抑えられるようにします。
色味(いろみ)
印刷や映像などの媒体における微細な色合いのことです。ハイライト部やシャドウ部、CMYKバランスなどを確認します。白が濁っていたり、赤味が強すぎるなど不自然な場合は修正します。
文字化け(もじばけ)
コンピュータで文字を表示する際に、正しく表示されない現象のことです。版下データで使用しているフォントが出力環境にないときに起こります。
網点
写真やイラストなどの濃淡を印刷物上に再現するためにもちいる小さな点のことです。網点の面積により印刷物上のインキ量が変化するので、視覚的な態度が変化します。網点の密度により、モアレやザラツキなど視覚的な状態が変化します。網点の密度を表す単位として「網線数」があります。(同意語)ドット
線数(せんすう)
網点の細かさを表わす単位をいいます。網点は一定の間隔で並んでいて、線数をいくつにするかで印刷の品質が決まります。線数が高ければ高いほど、滑らかに写真を印刷することができます。
BMP(ビットマップ)
Windowsの標準画像形式。無圧縮なため、JPEGやPNGよりデータ容量が多いです。発色がCMYKではないため印刷には向きません。
EPS(イーピーエス)
PostScript環境でのDTP専用フォーマットです。デスクトップでは低解像度用のデータで高速な編集を可能にし、印刷時には、高解像度用のデータでプリンタの最高性能の出力を得ることを実現します。
Flash Pix(フラッシュピックス)
Eastman Kodak、Microsoft、Hewlett-Packard、Live Pictureの4社が共同で開発した画像フォーマットである。拡張子には「.fpx」がつきます。
GIF(ジフ)
Webページ画像の標準形式です。静止画と動画に対応しています。カラーテーブルのパレットや色数を調整することによって、画質とファイルサイズのバランスを調整できます。
IFF
複数の種類のデータを関連付けて保存できる汎用のデータ記憶形式です。IFFはポータブルで、静止画、サウンド、ミュージック、ビデオおよびテキストデータをサポートする拡張機能があります。IFF形式にはMaya IFF および IFF(以前の Amiga IFF)が含まれます。
LPM
Deluxe Paint用の形式で基本的にはIFF形式と同じものです。
JPEG
JPEGが策定したカラー静止画の圧縮標準です。自然界の写真画像などの圧縮保存には向きますが、人工的なCG画像の圧縮には不向きです。
PCX
ゼットソフト社によって開発されたラスターグラフィックのファイルフォーマットです。現在ではより優れた画像ファイルフォーマット形式(GIF、JPEG、PNGなど)が登場しているため、あまり使われません。
PDF
アドビ システムズ社によって開発され、国際標準化機構(ISO)によって管理されている電子文書のオープンスタンダードです。文書、フォーム、グラフィック、Webページを変換して作成したPDFは、元のファイルを印刷したときと同じ体裁になります。
PICT
Macintoshの標準画像ファイル形式です。BMPおよびベクトルをサポートしますが、OSXからはPDFが標準画像ファイルとされています。
PIXAR
3次元画像やアニメーションのレンダリングを行うようなハイエンドのグラフィックスアプリケーション向けに設計されたものです。
PNG
GIF形式を発展させたロイヤルティフリーの技術です。GIFとは異なり、PNGは24ビット画像をサポートしており、ギザギザしたエッジのない透明な背景を生成します。ただし、一部のWebブラウザーではPNG画像はサポートされません。
Photo CD
アメリカのEastman KodakがオランダのPhilipsと共同開発した、写真を画像データに変換してCDに収めるためのシステムのことです。
PSD
Adobe Photoshopの画像ファイルの標準形式です。レイヤーやパスを含む画像ファイルはこの形式でしか保存できません。
RAW
高級デジタルカメラで記録可能な画像形式です。JPEG画像を生成する元となる「生」の画像データで。ある程度の写真知識があるユーザーの要望に応え、カメラメーカーが用意している機能のひとです。加工と鑑賞には専用のソフトウェアが必要となり、不特定多数に向けた配布、鑑賞には適しません。
Scitex CT
SXTファイルは主にReason NN-XT Sampler Instrument Patch (Propellerhead Software)で使用されるオーディオファイルです。
TGA
TargaのTruevisionビデオボードのためのデータ形式です。Targaファイルは静止画をレンダリングする場合および静止画のシーケンスをビデオ テープにレンダリングする場合に幅広く使用されます。
TIFF
Aldus社とMicrosoft社によって開発された画像データのフォーマットで、1枚の画像データを、解像度や色数、符号化方式の異なるいろいろな形式で一つのファイルにまとめて格納できます。比較的アプリケーションソフトに依存しない画像フォーマットです。
トンボ(=register mark)
印刷時に各版の見当を合わせるための目印のことをいいます。版面の外にあり、十字型で昆虫のトンボを連想させるためこう呼ばれています。十字以外に角トンボ、折りトンボがあります。
グラデーション(=gradation)
網点面積を連続調のように次第に変化させることにより濃淡を表現する方法です。
平網(ヒラアミ)
均一な大きさの網点の印刷物のことをいいます。グラデーションのついた網点と区別して平網といいます。
ノセ
色や写真の上に文字などを重ねることをいいます。色インキをノセるときは、下にある色と重なり色が変化します。指定の色を出す場合は抜き合わせの指定をします。
白ヌキ(シロヌキ)/白ヌキ文字(シロヌキモジ)
平網や写真などの上に入る文字や模様に対して、読みやすいようにするため、その部分をとって紙白にすることを「白ヌキ」といいます。特に文字の場合を「白ヌキ文字」といいます。
DDCP
コンピュータのデジタルをフィルムなどの中間媒体を介さずに直接、紙などの媒体に出力し、カラープルーフ(色校正)に利用するための装置のことをいいます。出力物が画像・文字を含めて最終印刷物と同等でなければなりません。そのためには、とくにカラーマネジメント技術が重要になります。出力方式としては、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式、レーザ方式などがあります。
フライトチェック
デジタルデータ事前チャックのことをいいます。入稿のの際に、アプリケーションやフォントの種類、データ作成内容の確認をしても、生産現場で実作業に入ると文字や画像の処理が不敵な場合があり、トラブルが発生します。従来は人間による事前チャックがおこなわれていたが、最近ではコンピュータ上で事前チェックができるソフトウエアが普及しています。
製版用語
校正
原稿やレイアウトの指定との比較をおこない、校正刷り上で誤りや不体裁の体裁を指示する作業のことです。文字組版の校正刷り都も呼ぶが、活版組版をゲラという台に入れたまま校正機で刷ったことが語源です。文字原稿の校正は、一人でおこなうと突合せ校正と、二人一組でおこなう読合せ校正があります。校正刷りに誤りがあれば、訂正文字あるいは校正記号を赤字で記入します。1回目の校正を初校、2回目を再校、以下、三校、四校とよびます。著者がおこなう校正を著者校正、著者または編集者に見せる前に印刷会社がおこなう校正を内(うち)校、著者または編集者から任されて印刷会社がおこなう校正を責任校正、著者または編集者が印刷会社でおこなう校正を出張校正といいます。校正を終了したものを校了といい、残った訂正箇所を印刷会社の責任に任せた校正を責任校了といい、責了と書きます。また、印刷会社からの校正刷りを著者または編集者に回すことを回校(出校)といいます。多色刷りの校正は、原稿と照合して色の調合が再現されていますが、色のバランスは崩れていないかおもに点検し、色校正とよびます。
初校(しょこう)
第1回目の校正を初校といいます。
図柄校正(ずがらこうせい)
仕上がり寸法、文字組みの位置、画像の配置などが版下用レイアウト指定通りの内容になっているかどうかなどをチェックします。
三校(さんこう)
再校戻しの赤字を直した3回目の校正のことです。さらに繰り返す場合は、四校、五校となります。
責了(せきりょう)
責任校了のことです。直し箇所が少ない場合など、印刷所が責任ももって校了することを前提に発注者が校了することです。
念校(ねんこう)
著者・編集者が、校了の直前に念のため重要な箇所を確認の為の校正のことです
校了(こうりょう)
校正が完了することをいいます。
色校正(いろこうせい)
仕上がり寸法、見当精度、製版用レイアウト指定通りの内容になっているかどうか、図柄の色調整、傷、汚れの有無、網点の太り、刷り濃度などをチェックします。上がってきた色校正に対し赤字を入れる場合は、その色校正紙に直接書き込みます。再校・初校・責了にならず、初校戻しの赤字を直した2回目の校正のことです。
CTP
(1)デジタルデータからフィルムなどの中間物をつくらず版材に直接露光して刷版を作成する方式です。版材はサーマル型、ポリマー型などの専用版材や、従来より使用されているジアゾ型などが使用されます。これらの版材は露光感度がフィルムなどと比較すると低いため、出力機の光源にはヤグレーザや赤外線レーザ、高圧水銀灯などの高出力なものが使用されています。出力機は版材がどのようにセットするかにより、外円筒方式、内円筒方式、平面方式があります。(同意語)ダイ・レクト刷版
(2)デジタル印刷システム
(3)DI
dpi
dot per ichの略。1センチ当たりのドット数を表している。プリンタでは300、600、1200dpiがよく使われています。ディスプレイなどの表示装置では72dpi以上が用いられれています。
PS版(ぴーえすばん)
感光剤が塗布されたPhoto Senstitiveな版で、最終像を合成したフィルムを版に密着し、露光・現像することでインキの載る部分とインキの載らない部分を設ける版材のことです。
PS版
親水性層をもたせたアルミニウムに感光液をあらかじめと付してある版材のことです。製版用のフィルムを密着させて露光することで、感光性樹脂の化学変化によって、平版印刷の版が作成されます。PS版には、露光した部分が硬化して感光性樹脂が残留するネガ型と、露光した部分にはインキが溶解するポジ型の2種類があります。感光性樹脂が残留した部分にはインキが着き、溶解して親水層が現れた部分にインキが着かないため、平版印刷が可能となります。
刷版
印刷機にかける版、または版を作ることをいいます。版の画像部にインキを付着させ、紙などの記録材に転写します。
文字校正
入力した文字を原稿と比較して、誤字、脱字、文字・用語の統一などの確認、書体、文字サイズ、組み体裁の指定とのチェックを行うことをいいます。訂正はJISの校正記号を使い、赤文字で記入します。
見当(けんとう)
見当合わせのことです。多色印刷における重ね合わせの位置や単色印刷における表面と裏面の位置、用紙を折るときの折位置を合わせることです。
網角度
網点で階調を表現する際、各色の版をそのまま重ねると発生する意図しない模様(モアレパターン)を防ぐために、色版ごとに異なった網角度が設定されます。
セッター
イメージセッターともいいます。画像を含む文書データをイメージデータ(一画素ごとのデータ)に変換し、フィルムや印画紙またはCTPプレートに直接露光・現像する装置のことです。
平版
最も一般的に用いられます。
平凹版…きわめて精密な製版ができ印刷された画線が盛りあがっているため、写真で複写しても影を生じて印刷物からの複製が不可能なため、有価証券等に多く用いられる。
多層平版…大きさが同一で深さの異なる無数の四角な子孔でできた版面で、画像の濃淡は、その子孔の中にあるインキによって現わされるので、ほかの版式のもたぬ深みがです。大量の印刷物を高速度で印刷できる。
平凸版…重厚な美しい色彩印刷が大部数、高速で印刷できる。
コロタイプ…きわめて精密な製版ができ印刷された画線が盛りあがっているため、写真で複写しても影を生じて印刷物からの複製が不可能なため、有価証券等に多く用いられる。
凸版
版面に高低があり、その高い部分にインクが附着し、圧力によってそれが紙面に移って印刷が行われます。(例・活字の印刷)
木版…板目に彫刻する。
亜鉛凸版…線画の製版に多く用いられる。
銅凸版…特に精密を必要とする場合の凸版。
網伏せ凸版…亜鉛凸版の一部分に網目または地紋などを焼きこんだもの。
写真版…網版、または写真銅版ともいう。銅板を使う。
ハイライト版…鉛筆が、或毛筆画等の原稿から製版したもので、原稿の白い部分は完全に網点がない。
原色版…三色版或は四色版、色彩のある原稿を写真的に三つの原色を分解し、赤、青、黄の三つ、或はそれに墨を加えた四つの写真版を製版して各々のインキで刷り重ね原稿の色を表現する。
トンボ
印刷物を仕上がりサイズに断裁するための位置合わせや、多色刷りの見当合わせのために、版下の天地・左右の中央と四隅などに付ける目印のことをいいます。天地・左右の中央に付けるトンボをセンタートンボ、仕上がりサイズの四隅に配置するものを角(かど)トンボと呼びます。印刷物の種類に応じて折りトンボなども用いられます。
凹版
インキの附着すべき部分が、地の部分より低く窪み、その深さは一定しません。深さによってインク膜の厚さが異なり諧調がでます。
インキは一回版面全体に盛られ、不要な部分に附着したインキは、ドクターで掻きとられて画線にだけインキを残して印刷が行われます。
彫刻凹版…きわめて精密な製版ができ印刷された画線が盛りあがっているため、写真で複写しても影を生じて印刷物からの複製が不可能なため、有価証券等に多く用いられる。
グラビア…大きさが同一で深さの異なる無数の四角な子孔でできた版面で、画像の濃淡は、その子孔の中にあるインキによって現わされるので、ほかの版式のもたぬ深みがでる。大量の印刷物を高速度で印刷できる。
多色グラビア…重厚な美しい色彩印刷が大部数、高速で印刷できる。
ドクターブレッド
版の余分なインキをかき取る刃のことをいいます。
見当
カラー印刷などの重ね刷り、裏表印刷や折り時の位置合わせのことです。カラー印刷時にはトンボ(+字の印)を用いて位置調整が行われます。
スクリーン線数
階調を網点で表現する場合に、網点を構成するスクリーンの密度の単位のことをいいます。1インチ当たりの線数を示しており、この線数が多いほど微細になる。新聞では60~80線、美術書では175~200線が用いられる。
面付け
原紙一枚に対して断裁時の無駄が出ないよう複数ページ分を割り付けることです。印刷後の折り加工の状態まで考慮して割り付けられます。「4割付」や「8割付」などと呼ばれます。
レジストレーション
カラー印刷において、CMYKの全版100%で印刷するをいいます。使用されるのはトンボなどで、通常は版ズレの有無などの確認用に限られます。
組版
本来、組方指定書や原稿に指定されたページの体裁に仕上げることをいい、活字組版がその基本となっています。活字・込め物・インテルなどを使用した組版の考え方と要素をもっており、それを受け継いだ版下作業では技術が継承されてきました。しかし、DTPでは本来の組版としてではなく、DTPソフトをつかった文字組版によりレイアウトとしての体裁を整えることを組版といっています。
全版
シート印刷機の基準となる寸法のことです。A列全判(625×880mm)、B列全判(765×1085mm)などがあります。
耐刷力
印刷版がすることのできる限界を通し枚数です。耐刷力の限界は明確に決めにくく、印刷条件などによって一定しないが、一般に、印刷物の品質が明らかに低下し始めたときをもって、その版の寿命がつきたとします。(同意語)版もち
台割り
一度に印刷されるページ数に、総ページ数を分割することをいいます。
多面焼付け
1枚のフィルムから、感光液と塗布した版材面に同一画像を反復して焼き付けて、同一面に同一画像のある多面の印刷版をつくることをいいます。雑誌などの表紙、ラベルなどの小サイズの画像を数多く焼き付ける場合に利用されます。(同意語)殖版焼付け
印刷用語
カラーチャート
プロセスカラー(CMYK形式カラー)を使って色の掛け合わせを変えて(例えば各色の網点%を10%ずつ段階的に変えていく)印刷した一覧表で、色見本帖の一種です。欲しい色をカラーチャートで探し、各版の網点%を調べることができます。
掛け合わせ(カケアワセ)
カラー印刷などで2色以上のインキを刷り合わせて必要な色を出すことをいいます。シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色を掛け合わせて色を再現することをプロセスカラーといい、インキ自体を調合して色を表現することを特色=スポットカラーといいます。
特色
(1)通常のプロセスインキ4色だけでは原色の色の再現が困難な場合に、追加される色のことです。緑・紫・青・セピア・金・銀などが主な色です。
(2)もっとも良い印刷効果を出すように設計された色です。小面積に多彩・新鮮な印刷が要求される小切手や、同一の色が広い面積を占め、高い印刷効果を要求される建築材分野、包装分野の印刷などによくもちいられます。
色見本(イロミホン)
印刷工程に対して、「濃い赤」とか「薄い赤」などの言葉による色の表現では、製作者が意図した色で印刷物を作ることができません。そのため参考となるサンプルを用います。これを色見本といいます。色見本はカラーチップや過去の印刷物、カラープリンタでの出力物などを使うことがあります。
印刷
画像、文字などからなる原稿をもとにして印刷版をつくり、これに印刷インキなどの色材を与え、印刷機械によって圧力を加えて、紙などの被印刷物に原稿の画像、文字などが大量複製する技術のことです。原稿、印刷版、印刷機械、色材、被印刷物の五つが印刷を構成する用件です。古代中国で木版印刷は発明されていましたが、近代印刷技術は1450年ごろドイツのグーテンベルク(Johann Gensfleish Gu tenberg)が活版印刷技術を発明したことに始まるとされます。製版方式により、活版(凸版)、平版、凹版、孔版などに分類されます。近年では、インクジェット方式や電子写真方式など、印刷版をもちいずデジタルデータから直接印刷する方式も登場し、オンデマンド印刷等にもちいられています。
印刷インキの種類
・酸化重合タイプ
枝葉のコート紙やアート紙への印刷に用いられます。平版インキや凸版インキがこれに相当します。乾性油を主成分とするインキの印刷面に、空気中の酸素が吸収されてビヒクル分子をつなぎ合わせ、綱状の巨大分子として乾燥膜を形成します。
・蒸発タイプ
オフ輪印刷やグラビアインキのように、インキが被印刷体に転移した後、加熱によりビヒクルが蒸発して、固形膜を形成するタイプをいいます。
・浸透タイプ
新聞インキのように、インキが被印刷体に移転した後、ビヒクルが被印刷体の中に浸透して、個性膜を形成します。
・紫外線軟化タイプ
UV(紫外線)インキのように、特定のエネルギ分布をもつ光を照射させることによって、科学変化を起こして乾燥するタイプです。
・耐熱性タイプ
フレキソ印刷やグラビア印刷によるパッケージは、内容物の充填工程において、熱板によってインキ面に熱がかかるので、このような熱に対して耐性をもったタイプです。
・耐光性タイプ
屋外で使用するポスターのように、長時間太陽光にさらしておいても、退色(変色)しにくいタイプです。
・耐摩擦性タイプ
段ボールやカートン等は、輸送のときに相互に擦られる可能性が大なので、このような摩擦があって損傷しにくいタイプです。
・耐薬品性タイプ
薬剤、化粧品、食品のパッケージのように、酸やアルカリ、アルコールやパラフィン等に対して、退色・変色・溶解しにくいタイプといいます。
オフセット印刷
印刷インキを版から(Off)し、ゴムローラー(ブランケット)などに転写した後、紙などに固定(Set)する印刷方式です。厳密には、パッド印刷などもオフセット凹版印刷と表記し、通常オフセット印刷と呼ばれている印刷方式は「平版オフセット印刷」とするのが正式な名称になります。だが本書中では一般的な理解に合わせ、平版オフセット印刷をオフセット印刷と表記しています。また、ほかの印刷方式についても一般的な標記を採用しています。
活版印刷
凸版印刷の一つで、活字を用いて作成した版で印刷する方式です。名刺やはがきなどの一部に使用されていましたが、デジタル化の進展に伴って、ほぼ使われなくなっています。
グラビア
凹版印刷の一種です。軟包装、紙器などの印刷に用いられます。版の凹部の深さで付着インキ量を制御できることから、最近は塗布や配線パターンの印刷にも用いられています。
パッド印刷
凹版にインキを流し、転写体(パッド)を接触させてインキパターンを転写し、被印刷物に転写体を接触させてインキを転写する印刷方式のことをいいます。ゴルフボールなどの曲面印刷に用いられています。タコ印刷ともいいます。
発泡印刷
熱により発泡する材料を用い、表面に凹凸のある形状を作成する印刷方式です。印刷インキに発泡剤を入れて印刷する方式と、紙自体には発泡剤を入れ、印刷部を膨らませる方式があります。床材(クッションフロア)などの建材で用いられています。
ポリエチレン印刷
インキの付着が悪いので、熱処理やコロナ放電など前処理をしてからグラビアで印刷でします。
ビニール印刷
グラビア方式の専用印刷機を用います。溶剤は塩化ビニールが一般的です。
セルロイド印刷
ほとんどオフセット印刷で、ブリキ印刷機を用い1色ごとに乾燥させます。
木目印刷
紙、または塩化ビニールのフィルムに印刷して貼る場合と、化粧ベニヤ・メラニン・ポリエスチル・鉄板などにじか貼りする場合があります。じか貼りは、この種の材料製造の一貫作業ですから、一般の印刷所では取り扱いません。紙や塩化ビニールフィルムの場合は、すぐれた木目を原稿にしてグラビア製版をし、連続模様で巻取紙に印刷していきます。
セロハン印刷
普通はグラビアを用います。アニリン印刷でも刷れますが、大量良質なものには向きません。
転写印刷
金属製品に商標を入れたり、陶磁器の絵つけに用いられるもので、移しえの要領で紙の上に水に溶けるのりをひき、その上に樹脂溶液とかワニスを塗って膜を作り、この膜の上に印刷し最後に不透明白インキをベタ刷りします。転写する器物の表面にニスを塗り、それが乾きだしたころ、水に浮かべておいた転写紙を貼りつけて、台紙をはがします。
繊維品の印刷
捺染(なっせん)印刷といって、のりと染料をまぜて印刷し、あとでのりを洗い落とすのですが、色材にのりを含むため、へこみの深さに問題があって普通のグラビア製版ではむずかしいようです。
フォーム印刷
事務機、コンピュータの発達で事務用に用いる連続伝票の需要は増大しています。ケイや文字の印刷のほか、切り離すためのミシン穴、事務機を通すためのリード穴、あとでファイルするためのファイル穴が必要で、長巻きのカーボン紙と重ね合わされることもあります。凸版方式とオフセット方式とがありますが、わが国では主に凸版式が用いられています。
カーボン印刷
複写伝票の裏面にカーボンを印刷します。常温では固形で加熱するとやわらかくなるコールドセットインキを用いることが普通で、版式はグラビアと凸版があります。凸版にはコールドセットでない特殊なインキを使用する方法もあります。
シール印刷
シールは印刷と同時に、打抜きや浮出し加工が行えるように設計された、凸版のシール印刷機が用いられます。
磁気印刷
電子計算機の入力装置が読みとれるように、磁性の粉末をまぜた陰気で印刷します。人間には読めなくても機械が読みとれれば良いわけですが、機械も人間も読めるように工夫された独特な書体が用いられています。
ナンバリング印刷
小切手や切符の番号などは、同じ数字で印刷できず、一枚一枚通しナンバーになっていなければなりません。そのような目的で作られたのが凸版方式ナンバリング印刷機です。
製袋印刷
定型サイズの封筒は用紙の打抜き・のり付け・貼り・印刷を一貫してできる製袋印刷機があります。特殊サイズの場合は、手ばりしたものに凸版印刷をすることになりますので、できれば定型サイズを用いると経済的です。
盛上げ印刷(浮出し印刷)
凹版のインキを盛り上げて刷ったり、粘着く性の強いインキで刷り、樹脂を盛り付けて加熱固着させたりする方法で、画線部を盛り上がらせます。レターヘッド・名刺などに用いられます。
植毛印刷
ラシャのようになっています。特殊インキで凸版印刷を行い、乾燥しないうちに、細かい繊維の粉末をふりかけます。
立体印刷
物が立体的に見えるのは右目と左目の視差(目の距離だけ同一の物体が違って見える)のある画像を見ているからです。特殊なカマボコ型のレンズの役目をするプラスチックの膜を印刷物の表面に貼り付けて、右と左の目がそれぞれ視差のある画像を見るように設計されています。POPやパッケージなどに利用されています。
レリーフ印刷
油絵のタッチや絵の具の盛り上がりを、プラスチックで成形し、その被膜を印刷物の表面に張り合わせると、さながら油絵の質感が出てきます。このような絵画の複製をレリーフ印刷といっています。
コピー機などの発達によって謄写印刷やタイプ印刷(タイプライターで製版用原紙に直接印字する)は殆ど専門業者としては姿を消し、ダイレクト印刷やPTO印刷に移ってきました。
ダイレクト印刷
原稿から直接版材に焼きつけて製版する方法で、
銀塩法:銀の感光性を用いる写真的方法
静電法:静電気で帯電した部分にトナーを吹きつけて画像をつくる方法が用いられています。中間のネガフィルムを必要としない簡便さから、コストも安く、品質では多少劣るにもかかわらず、多くなる傾向にあります。
PTO印刷
Pは写真、Tはタイプライター、Oはオフセットの意味を組み合わせたことばですが、タイプライターとは限らず、写植も含めて、原稿からネガフィルムを撮り、PS版に刷判製版する方法をPTOと言っています。
スクリーン
スクリーン印刷で用いられる版のことをいいます。材料としてテトロン、ナイロンなどの化学繊維、ステンレスなどが用いられています。
熱転写
熱によりインクリボンのインクを溶融させ、インクを紙に転写させる記録方式。主にFAXやワープロ用に利用されていました。
顔料
着色用の色素で、水や油には溶けずに、溶媒に分散させて使用されます。耐光性が高いことから屋外で使用される印刷物などに使用されます。
サーマルプリント
特殊な紙(感熱紙)に熱を加えて直接記録する印刷方式です。FAXの記録方式として普及した他、POSレジや自動販売機などにも広く利用されています。
湿り水
オフセット印刷で、刷版の非画像部に付けられ、印刷インキをはじく役割を持った弱酸性の水のことをいいます。
染料
着色用の色素として水や油に溶ける染料を用いたインクのことです。発色が良いため写真印刷などに利用されるが、にじみやすく耐光性も弱いという欠点があります。家庭用インクジェットプリンタ用インクの主流となっています。
大豆油インキ
大豆油から作られる油性インキのことです。一般の印刷インキに使用されている石油系有機溶剤の一部を大豆油に置き換えて作られます。ソイシールを使用するためには、枚葉インキでは、調合インキ全重量の20%以上が大豆油または大豆タンパクである必要があります。
特色
標準的なY、M、C、Kの4色以外に特別に調色された色インキのことをいいます。菌、銀などのメタリックな色やパール、蛍光色などの他、特別に用意されたロゴマーク色などがあります。
プリント
版と印刷機を用いて大量に複製する印刷に対し、版を使わず一枚ごとに異なる内容で作成可能なものをいいます。
フレキソ印刷
凸版印刷の一方式です。版材としてゴムや樹脂が用いられ、印圧が低いことから、比較的強度の弱い段ボールやトイレットペーパーなどの印刷に使用されています。
枚葉機
オフセット印刷で、シート(枚葉)を印刷する印刷機のことをいいます。様々な厚さの紙に対応可能で、菊全機、菊半機など、印刷可能なサイズに応じた名で呼ばれます。
水なし平版
オフセット印刷で、湿し水の代わりにシリコンゴム層を用いた版のことをいいます。イソプロピルアルコール(IPA)などの有害物質を含む湿し水を使用せずに印刷できます。
輪転印刷機
円筒形の版胴・圧胴、あるいはゴム胴の間で圧をかけ、回転することにより印刷する機械のことです。略して輪転機と称することが多いです。
オンデマンド印刷
データーベースなどに蓄えられたデーターを、必要なものを必要なときに必要な量だけ印刷することをいいます。プリプレスに端を発したデジタル化の進展にともない情報の取り扱いが容易になると同時にデジタル印刷機が登場し、一部からの可変印刷が可能となりました。品質的には、コピー程度からオフセットレベルのものまであります。(同意語)POD
外字
(1)JISで定められた標準的な文字セット以外に、メーカやユーザが独自に登録した文字のことです。(2)漢字JIS第1水準および第2水準以外の漢字です。
カンプ広告やカタログなどの仕上がりイメージを再現した出力物。写真・コピー・イラストの位置、大きさ、書体など、レイアウトを忠実に再現したもので、おもにデザイナーがクライアントとの最終打合せを行う際にもちいられます。(同意語)コンプリヘンシブ:コンプ
CMYK
印刷でカラー画像を再現するには、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)と黒(K)の四つの色が必要になり、対応する四つの版が必要になります。
IJ(Ink Jetインクジェット)
インクを微小滴化して拭きつけて記録する方式です。常にインク滴を噴射する連続型、必要に応じてインク滴を吐出するオンデマンド型との大きく二種類に分けられます。インクには水性、油性、溶剤、UVなどの種類があり、着色材も染料や顔料が用途に応じて用いられています。
IPA
イソプロピルアルコールのことです。オフセット印刷の湿し水の表面張力調整剤として使用されますが、Vocに該当するため、使用しない、あるいは使用しても濃度を5%未満にすることが各種の基準で求められています。
SIJ
スーパーインクジェットのことをいいます。産業技術総合研究所(AIST)で開発された技術で、家庭用IJプリンタの1000分の1の体積(フェムトリットル:10)微小液滴を印字できます。
UV
Ultra Violetの略で、紫外光のことです。波長は100~400nmで、可視光よりも短い波長域の光です。印刷・プリント分野では、塗布されたインキやニスなどの重合に紫外光が使用されています。
軽印刷
比較的簡単な方法で印刷をおこなうための製版・印刷システム。謄写版方式が主力でしたが、最近のデジタル化によりワードプロセッサで打ち出した言行から手軽に印刷までおこなることが可能になりました。製本機をつなぎ込むことによって小冊子がインラインで作成可能になりました。
化粧断ち(参照語)仕上げ打ち
シート印刷機
シート状の被印刷物(たとえば枚葉紙)に印刷する印刷機の総称です。(同意語)枚葉印刷機
通し数
印刷機に用紙を通して印刷される回数のことで、印刷料金の計算の基礎となる値です。
平版印刷
版面に明確な高低がなく、一平面上に画像部と非画像部と形成されている版をもちいる印刷法のことです。水と油脂とが互いに反発する性質を利用し、非画像部は化学処理によって親水性とし、画像部は写真焼付けまたは、転写によって新油性とし、版面に水とインキを交互に与えて印刷します。現在、平版印刷はほとんどすべてオフセット印刷方式です。(関連語)オフセット印刷
本機校正
実際の印刷機で印刷した校正刷りのことを指します。校正刷りは専用装置(校正機)を使用することが多いが、仕上がり状態を厳密に確認する必要がある場合や、大判のため校正機では刷れない場合などには、実際の印刷機をつかって校正刷りをおこないます。
本紙
得意先が指定した本刷りに使用する用紙のことです。落丁の防止策として使用する試刷り用紙、調肉紙と完全に区別する必要があります。
ウェブマスターペーパー マスターペーパー
軽印刷にももちいられるベースにした刷版の総称のことです。製版は電子写真法によるものと銀塩写真法によるものに分けられます。解像度や耐刷力は銀塩写真法の方がすぐれるが、コストは高くなります。
予備紙
正紙に損紙分として付け加えられる紙のことで、印刷ロットの大きさによって決まります。印刷予備、製本予備、加工予備などがあります。
ミシン刷・目打ち
切取り線として印刷だけのこともありますが、これに1列の穴をあけて、切取りやすいようにすることを目打ちといいます。凸版の場合は、ミシン刷りという突起の連続したけい線を版に組み込んで、印刷と同時に目打ちができる方法もあります。
用紙用語
印刷用紙の種類
紙には業界独自の分類があります。印刷と関係するのは、印刷・情報用紙です。
紙にはいろいろな種類がありますが、分類状「紙」と板紙の二種類に分かれます。板紙には、段ボール用の原紙や紙箱用の板紙が属し「板」といわれるように厚めの紙です。一方、「紙」には、印刷で使用される印刷用紙と複写機やプリンターなどで使用される情報用紙、また包装用の紙などが属します。したがって、印刷やプリントに関するのは、印刷用紙、情報用紙(これらをまとめて印刷・情報用紙といいます)です。海外では、例えば米国では、「印刷・筆記用紙」という分類が日本の印刷・情報用紙に相当します。
印刷用紙は次ページの表のように、非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙、特殊印刷用紙に分類されます。塗工紙は、紙にクレーや炭酸カルシウムなどが塗布されています。これは、紙の白色度を上げたり、筆記性を向上することが目的です。微塗工印刷用紙と塗工紙印刷用紙では塗布される量が異なります。非塗工印刷用紙のうち上級紙は書籍や教科書で、中級紙や下級紙は雑誌などで用いられます。辞書などでは非常に薄い紙が用いられますが、これ薄葉印刷用紙と呼ばれる紙です。塗工印刷用紙は美術書や雑誌の表紙、各種のチラシやカタログ、ポスターなどで、掲載商品の見栄えを良くしたり高級感を出したりする目的で使用されています。近年はこの塗工紙のニーズが高まり、各製紙会社は塗工紙の生産能力を増強しています。特殊印刷用紙には健康保険証で使われる色上質紙、また官製はがきや地図で使用される紙があります。
アート紙
塗工紙の一種で、上質印刷用紙に40/・程度の塗料(クレーや炭酸カリウムなどの白色顔料など)が塗工された印刷用紙のことをいいます。
板紙
厚い紙の総称です。段ボール原紙、白板紙(通称ボール紙)、チップボール(古紙を原料とした灰色の板紙)などがあります。主に包装材として、段ボール箱、パッケージ、バインダーなどで使用されています。
コート紙
塗工紙の一種で、20~40g/・程度の塗料を塗布された紙のことです。上質印刷用紙に塗工したものを上質コート紙、中級印刷用紙に塗工したものを中質コート紙といいます。
古紙
一度使用された紙のことです。古紙はリサイクルされることで再生紙となります。再生紙にされるごとにパルプ繊維が短くなり、紙のコシが弱くなるなどの問題がありますが、環境保護の観点から古紙の再利用は最重視されています。
再生紙
古紙を私用して作られる紙総称です。明確な定義は定められていません。日本の古紙利用率は、全体としては60%を超えてますが、印刷・情報用紙では30%にも届いておらず、大きな課題となっています。
上質紙
化学パルプの配合率100%の洋紙のことをいいます。非塗工洋紙の上級紙に分類され、印刷やコピー用紙として使用されます。
情報用紙
各種プリントで用いられる紙の総称です。使用する記録方式により紙に求められる特性は異なります。
ノーカーボン紙
感圧紙ともいいます。カーボン膜を使用せずに複写できる紙のことです。上紙の裏面にマイクロカプセル化された発色材が塗布され、下の紙表面に顕色材を塗布し、二つを重ねてあります。上の紙に筆記や印字するとマイクロカプセルが壊れ、発色材が下紙の顕色材と反応することで複写します。
塗工紙
クレーや炭酸カルシウムを紙の表面に塗布し、平滑さや白色度などを高めた紙のことをいいます。これらの塗布量により、アート紙、コート紙、軽量紙、微塗工紙などに区分されます。
非塗工紙
繊維のからみ合いだけで作られた紙で、表面には特別な塗工はされていません。上質紙のほかに、ケント紙、中質紙、ざら紙等いろいろあります。表面の平滑性がないため、カラー印刷には適しません。
フォーム用紙
パンチやミシン目加工が施された出力用紙のことをいいます。連続帳票用紙ともいいます。
プリンタブルエレクトロニクス
印刷やプリント技術を用いて電子部品などを探る手法、およびその手法で形成されたデバイス、電子回路や基板のことをいいます。配線や抵抗などの部品だけではなく、トランジスタやセンサーなども印刷で作成されます。真空環境ではなくても、ロール・トゥ・ロール(R2R)などで連続的に生産できるためエレクトロニクス製造に変革をもたらすと期待されています。
洋紙
木材パルプを主原料として、機械を使って製造された紙。手漉きの和紙に対してこう呼ばれます。
四六判
紙の原紙サイズの一つで、サイズは788mm×109mmです。
和紙
欧米から伝わった洋紙に対して日本製の紙のことを指します。繊維が長い洋紙より耐久性が高い、大量生産に向かないため高価です。紙幣の素材としても使用されています。
筆記用紙
帳簿・レターペーパーや証券・小切手に使われる。模様をすき込み、偽造を防止する。
図面用紙
画用紙、木炭紙・ケント紙など絵画や製図に使われる。
包装用紙
腰が強く包装に適する。クラフト紙・ロール紙・模造紙・グラシン紙・硫酸紙など
薄葉紙
辞書用のインデア紙、たばこ用のライスペーパー、エアーメールペーパーなど。
雑種紙
厚手の美しい紙(製本・プログラム・入場券・カレンダー)および吸収紙・印画紙など。
アルファベット
A判
紙の用紙サイズの一つ。A判の原紙サイズ(A全)は、625mm×880mm。原紙から断裁されたA列の用紙サイズはA0~A10まで11段階あり、JISで決められています。国内ではB判と共に採用されてきました。官公庁では1993年から行政文書をA判に統一しています。
B判
紙の用紙サイズの一つです。B判の原紙サイズ(B全)は、765mm×1085mm。B列の用紙サイズはB0~B10まで11段階あり、JISで決められています。「美濃紙」の半分サイズがB4とされ、日本独自の基準として採用されました。
損紙
印刷および加工工程で生じた実用に供しない紙のことです。印刷された損紙を黒損、されていないものを白損といいますが、通常、総称してヤレといいます。損紙は種々発生するので、あらかじめ印刷用紙の中に所定の損紙予備(予備紙)を加えておきますが、できるだけ少なくするような努力がなされてます。
台
(1)ページ物印刷における印刷工程の仕事の1単位のことです。一度に印刷することができるページ数を1単位(1台)として、総ページ数を台数で表します。
(2)鉛版、樹脂版、活字より薄い活版を活字の高さに揃えるためのベースとなる木片や金属片のことをいい、金属製のものを台金、木製のものを台木といいます。
枚用紙
抄造後、巻き取られた紙を菊判や四六判など所要の寸法に断裁したシート状の紙。巻取紙に対してもちいられます。
巻取紙
所要の幅にスリットし、心棒に連続して巻いて仕上げた紙のことです。枚葉紙に対してもちいられます。輸送時は、外力による損傷や外気の影響を考慮し、クラフト紙やビニルなど丈夫なもので外側を包装してあります。(同意語)
エンボス・しぼつけ
エンボス加工した紙は、独特の肌合いを喜ばれています。
連
紙および板紙の取引き上の一単位のことです。紙の場合、規定寸法に仕上げた紙1000枚(巻取紙では1000枚分)を1連とします。板紙の場合、規格寸法に仕上げた板紙100枚(巻取紙では100枚分)を1連とします。
連量
1連の紙および板紙の重量のことを指します。キログラム(kg)単位で表します。(関連語)連
紙の目
縦目と横目(縦目の夕を取って、横目のヨをとってY目ともいう)
紙はパルプなどの繊維を原料に、その繊維を液状にし、抄折機という紙を作る装置の上を、流しながらからませ、脱水・乾燥させて作られます。そのため、抄折機の流れにそった繊維の流れが作られます。
縦目(抄折機にしたがって紙が作られていく流れ方向)と横目(この流れと直角の方向)があります。
紙は湿度による影響をうけやすく、さらに繊維の長さより直径の幅に影響を多く受けるため、紙ぐせによる変形をおこします。紙の目を知っておくことは、特に製本上で非常に大切になります。
本と紙の目の関係
すべての本は、出来上がったときに、紙の繊維方向と平行に綴じ目がきます。A判、B判とも縦目を使った場合、偶数判は横長、奇数判は縦長の本となります。横目を使った場合は、偶数判は縦長、奇数判は横長となります。縦長の本は、偶数で縦目、奇数で横目を使います。
加工用語
製本
印刷後の紙をまとめ、糊、糸や針金などで綴じ、表紙を付けて本の形にすることをいいます。綴じ方の種類として、中綴じ、無線綴じ、糸綴じなどがあります。また、ハードカバーの上製本、ペーパーバックなどの並製本の二種類に大きく分けられます。
断裁
用紙は、すべて規格寸法よりひとまわり大きい寸法で市販されています。印刷はくわえなどを含め、周囲に余白をとって刷り、刷り上った後で化粧裁ちをして、規格寸法に仕上げます。何面か付け合わせをしたものは断ち割りをします。ガード・ハガキなど、特別なものを除いて印刷物は普通、断裁加工を必要です。
丁合い
製本の際、シート紙や折り丁をページ順に揃え1冊にまとめる作業のことをいいます。手で集める手丁合いと丁合機をつかう機械丁合いがあります。1冊のなかで、折り丁を重複して取ることを「取込み」、ある折り丁が脱落して欠けることを「落丁」、順序を間違えたものを「乱丁」といい、これらを防ぐために総繰りをおこなったりします。(同意語)ギャザリング、(関連語)合せ丁合い
中綴じ
製本様式の一種です。表紙と中身の折り丁を中央ページを開いて丁合いし、開いた真ん中ののどの部分を針金または糸で表紙まで通して綴じる方法です。のどの奥まで絵柄がみえるため折り精度に注意が必要です。また、厚手の本では中側と外側の折り丁の長さが異なるため小口切れなど起こさないように、製版段階からの注意が必要です。雑誌やカタログ・パンフレットでは針金で、ノートや絵本などでは糸で綴じられます。(同意語)背綴じ
並製本
針金や接着剤で綴じた中身を表紙でくるんだ後、仕上げ断ちした製本様式のことです。雑誌製本の多くはこの方法です。綴じ方から、無線綴じ・針金綴じ・糸綴じなどに分類され、それぞれの表紙の仕立て方によって、くるみ表紙・雁垂れなどに分類されます。(同意語)並製;仮製本、(関連語)・・ビニール引き
塩ビ、酢酸ビニール、アクリル樹脂などを、ローラーで紙や布に塗布する加工方法です。主に本の表紙カバーの光沢を出したり耐久性向上のために行われます。
平綴じ
製本方式の一つです。折った背から5ミリ程度を綴じ代として、針金で数箇所を綴じ、さらに背に糊を付けて表紙を貼り付ける方式です。針金を使用しないものを無線綴じといいます。
エッチング
化粧品などを用いて、腐食作用により表面を加工する技術のこと。金属や半導体の加工など広い分野で利用されています。最近は化学薬品の代わりにガスを用いたドライエッチングも使われています。
軟包装
レトルト食品やスナック菓子、液体などの包装に用いられるフレキシブルな包装パッケージのことをいいます。材料にはプラスチックなどのフィルムが使用され、内容物の特性や用途によって耐光性、耐ガスバリア性などの機能を持ちます。外装の印刷には主にグラビア印刷が用いられています。
プレスコート
ビニール引きした印刷面に、加熱した金属板で圧力をかけてコーティングする加工方法のことです。
マーキング
製品の個装や包材に製造年月日、消費期限、生産ロットナンバーなどを印字することです。印字にはインクジェット、レーザー、サーマル記録などが使用されています。生産ラインで使用されるため、拘束で印字することが要求されます。
無線綴じ
製本様式の一種です。ほんの中身を丁合いした後、背を3mm程度切断してペラの形にし、その切断面にギザギザの切込みを入れて接着剤だけで中身を綴じる方法です。上製本・並製本ともにつかわれます。また、あじろ綴じも無線綴じの一種です。
ラミネート
表面加工の一つです。プラスチックフィルムやアルミなどの箔を紙などに貼り合わせることをいいます。光沢を出したり、防湿、防水などの目的で行われます。
ロール・トゥ・ロール
ロール状に基材を用いて回路パターンなどを形成し、再びロール状に巻き取る製造方法です。R2Rとも表記されます。作製プロセスに印刷技術に組み合わせることで、製造コストが大幅に削減できます。有機太陽電池、有機TFTなどの製造への応用が検討されています。
あじろ綴じ
無線綴じ製本の一種。折り工程の際に、折り丁の背の部分にピッチの粗いミシン目の様な切込みを入れておき、丁合い後、のりを塗布し浸透させ接着する方法です。無線綴じに比べ、接着強度が強く開きやすくなります。切込みは一般的にかっと15mm、アンカット5mmとなるように刀型で入れます。
糸綴じ
丁合いされた巻頭の折り丁から巻末の折り丁まで一折りずつ糸で綴じ合わせることをいいます。折り丁の大きさにより糸の本数を、本の厚み・紙質により綴じ糸の種類・太さを加減します。綴じ糸の種類は綿糸やナイロン糸などがもちいられ、太さは40・60・70・80番手をもちいます。強度・開きやすさから上製本につかわれています。
(同意語)かがり綴じ:糸かがり
折り丁
製本するために、刷り本を折ったもので、製本上の1単位です。
通常、8ページ折り、16ページ折りまたは32ページ折りが基準ですが、4ページを一折りとすることもあります。
上製本
一般にハードカバーのついた高級制本様式のことをいいます。中身が糸かがり、または接着剤で固め仕上げ断ちした後、表紙貼りをした表紙にくつんで仕上げ、表紙が中身より大きく、三方にチリがあって、見返しを貼ったものです。背の形状から丸背と角背とに分かれ、それぞれに表紙の仕立て方により、溝付き・突付け・薄表紙があります。さらに、背固めの方法からフレキシブルバック・タイトバック・ホローバックに分類されます。(同意語)本製本、(関連語)製本
製本
刷り本を決められた順序にしたがってまとめ、読みやすいように互いに糊や針金・糸にて接合することをいいます。一般に製本といえば様式製本のことを指し、和式製本は現在では仏教関係など特殊なものに限られます。様式製本は上製本(上製)と並製本(並製)に分けられ、上製本は表紙が表装され中身が化粧断ちした後で表紙づけがおこなわれるのに対し、並製本は表紙づけされてから化粧断ちがおこなわれます。上製本と並製本の区別はチリがあるかないかによって判断します。
端物
ページ数でない体裁の一定しない印刷物のことです。はがき、伝票、広告、チラシ、名刺、表類などをいいます。
半型
雑誌、書籍、ポスターなど、紙加工品の仕上がり寸法と形態のことです。A4判、B5判、AB判、新書刊、ノンノ判、ダブロイド判などがあります。
ページ物
書籍等に代表されるページ数が多く、体裁がほぼ一定である印刷物のことです。端物に対してもちいる言葉です。
見返し
本の中身と表紙をつなぐらめに表紙の内側に貼る紙のことです。中身を保護する他、ほんの耐久力を保持する重要な役目をもちます。貼り付ける方法として以下の三つがあります。・貼り見返しは、二つ折りした見返しを、巻頭や巻末の折り丁ののど際に糊付けして貼り込みます。・巻き見返しは、貼り見返し後の折り丁の背部を、和紙などで巻貼りするか、見返しを折り丁の裏側に巻き込むように貼ります。・継ぎ見返しは、二つ折りせず、切り離した2枚の見返し用紙ののどの部分を布でつなぎ合わせ、布の部分を折り丁にミシンで綴じ付けします。
打抜き
抜き型・型抜きなどともいい、断裁機は直線にしか切れませんから、直線以外の形に仕上げるときは打抜きが必要になります。薄い鋼を曲げた抜き型を作り、それに紙を強く圧して打抜きます。
折り
2つ折・3つ折・カンノン・法帳折りなどと、折って仕上げる必要のある印刷物は、普通、折り機にかけられます。特殊な折り方は機械折りではなく手折りになってしまいますから、工賃が高くなります。
空押し(カラ押し)
色を付けないで、ただ紙の面にマークなどを凸型に浮き出させる加工です。雌型と雄型を作り、型押しします。
天のり・横のり
天のりは上の一辺を、横のりは横の一辺をのり付けで固定し、製本したものをいいます。
便せんは、メモ帳のように1枚ずつ使用すつ単式伝票と、切り離して使用する複写帳票などによく用いられます。
複写帳票は、転写される位置がずれないようにするため、それぞれの紙をそろえて製本加工する必要があります。
天マーブル・天クロス
マーブルとは、本の見返しや表紙に使用する模様のある紙です。その紙を、天のり(横のり)で固めた所に巻きつけ、製本をする方式をいいます。また、クロスとは布のことをいい、布で同じように製本する加工をいいます。
セット伝票
主にノーカーボン紙を使用した複写伝票の製本方法をいいます
わずかな力を加え、伝票が1セットごとに自然に分離する方法で、分冊する手間がかからず、大量の伝票を製本にする場合に使われています。見た目は天のりに見えます。
強度も弱く、事務用糊でも製本できます。
無線綴じのように、本文を表紙でくるむのではなく、本文同様に表紙、裏表紙も糊で固めます。
パッケージ
包むもの、商品を入れる容器などをすべてパッケージをいいます。材質としては、紙・プラスチック・金属・木・布・革などの多種多様です。宣伝効果と流通資材としての両面を必要としますが、印刷的に重要なのは、宣伝効果の面でしょう。しかし、それでもほかの宣伝印刷物に比べ物的・機械的制約が多い印刷になりますから、企画・デザインにあたっては制約を十分知って、量産に適し、しかもパッケージとして機能を果たすよう考慮すべきです。
一重式
もっとも単純で、多く用いられています。この形式は1枚の紙を打抜いて折りたたみ、1ヶ所ののり付けによって立体になります。
二重式
一重式の方が経済性も、作業能率もよいのですが、内容物の保護や商品効果の点からみて、必要ならば多少コスト高になっても二重式することがあります。二重式は外箱と内箱に分かれて、外箱は商品効果を、内箱は商品保護の役割をもたせます。
組み箱
印刷が終って打抜かれた紙を、のりを使わずに折って組み立てていく箱です。周囲が二重になりますので、やや高級な感じがするのと、輸送が展開のままできるのが利点です。
貼り箱
芯に黄ボールの箱を作り、外側から印刷した紙(または布)を貼ります。厚い芯を使えばかなり強度もありますから、商品の保証もできますし、貼り付ける外装には高度な印刷も可能ですから、高級な印象を与えることもできます。
キャリアバック
特に、消費者が携帯するのに便利なように設計された箱です。清涼飲料水・ビール・薬品などが入れられて、相当な重みがかかりますから、構造的に考慮を要します。
金箔・銀箔
金属的な光沢が出る、コストが低く使いやすい、加工範囲が広い。
あらゆる箔のなかで、もっとも多用されているのが金・銀の箔である。それだけにさまざまなバリエーションがあり、赤みがかかった金・銀・青みがかかった金・銀などの色味の違いや、つやあり、つや消し、ヘアライン仕上げといった表面の質感の違いもある。これらは加工業者がサンプルを用意しているので、利用の際はサンプルを取り寄せて確認しておくとよい。
なお、箔の原料は主にアルミニウムが使われるが、仏具、神具などには22金を原料とする本金箔をしようすることもある。
紙・布・プラスチックへの加工が可能。ただし熱に弱い素材は不可
カラー箔
白は金・銀以外にも豊富なカラーバリエーションがそろっている。メタリックカラーだけでなく、ノンメタリックの赤、黄、青、緑、黒、白などの箔もある。それらのカラー箔は着色に顔料を用いている。そのためインキによる印刷と比べて隠蔽性が高く、くっきりとした力強い仕上がりになるのが特徴だ。既製の箔に好みの色がなかったり、コーポレートカラーなどの固有色の箔が必要な場合は、オリジナルカラーの箔をつくることも可能だ。紙・布・プラスチックへの加工が可能。ただし熱に弱い素材は不可
レインボーマーブル・ホログラム箔
金・銀やカラー箔よりコストが高い。
デフラサーモ(プリズム印刷)
「デフラサーモ」(プリズム印刷)と呼ばれる加工技術である。加工の工程は、メタリック箔を特殊な金版で紙または合成紙に転写し、そこに微細な線画のエンボスを施して、さらにその上から多色印刷をするという手順になる。
浮き出し(カラ押し)
菌版を使って紙に凹凸をつける「浮き出し」は、パッケージなどに使われることが多い。上質間や高級感の表現にふさわしく、箔押し同様に小ロット製品にも対応もできることから、名刺やレターヘッドのロゴマークにも好んで利用される。
また、メタリックカラーの用紙に浮き出しを施すと、レリーフのように見え、希少性を演出できることから、限定販売の製品などを示すマークに使われることもある。素材に凸をつけるのを「エンボス」、凹をつけるのを「デボス」と呼んで区別する場合もある。
印版の作り方
使用する機器などによりさまざまな方法があります。
フィルムのセットとパンチ穴
あらかじまパンチ穴を開けたフィルム片(耳、帯などといいます)を、使用する印刷機に応じて用意します。ライトテーブル上でビンバーを使用して、トンボを目安にして性格に位置を合わせ、フィルムをフィルム辺にテープ止めします。どれかの版を基準とし、他の版をこれに合わせます。
PS版とパンチ穴
PS版にも同様にパンチ穴を開けます。
版とへのセット
ピンを基準にフィルムをPS版にセットしテープで固定します。
PS版への露光
ピンをはずし、露光装置のカバーガラスを閉め、真空密着させてから露光します。
PS版現像処理
露光済のPS版は専用の現像液や自動現像機などを使用して、現像処理を行います。
PS版の原理
ネガタイプPS 版の画線形成の仕組み
ネガタイプPS版は光の当たった感光層の部分が軟化し画線部となります。光の当たらなかった部分は現像液で溶解除され、非画線となります。したがって露光不足の場合には画像強度は弱く、露光オーバーの場合には耐刷力は安定しますが、網点の太りを生じます。
ポジタイプPS版の画線形成の仕組み
ポジタイプPS版は光の当たった感光層の部分が光分解し、現像液で溶解して非画線部となり、光の当たらなかった部分が画線部となります。したがって露光時間は耐刷力と無関係ですが、不足の場合には不要の感光層が除去されないため、インキが非画線部に着肉し汚れの原因となります。また、逆に過度の場合は網点の細りが発生します。耐刷力に影響なく、網点の大きさを露光により細らせることができることから調子再現の重要なカラー印刷に多く用いられます。
プロセスカラー(CMYK)による印刷
一般的なカラー印刷は、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、スミ)の4色のインキを使って進められます。理論上はCMYの3色あれば、掛け合わせによってさまざまな色をつくることが可能ですが、実際には3色だけだと黒やグレーの再現性がよくないため、Kを加えて補っています。このCMYKの4色を「プロセスカラー」といいます。
オフセット印刷では、このCMYK各色を「アミ点」という小さな点の集まりに置き換えて、色の濃い部分はアミ点を大きくし、色の濃い部分は、あみ点をちいさくして、色の濃さを調整しています。カラーの原稿を4色のアミ点に置き換えるこの作業を「4色分解」といいます。手近な印刷物をルーペで覗いてみると、アミ点と色の濃度の関係が、文字どおり一目瞭然に理解できます。
なお、原稿のカラーデータをRGB(レッド、グリーン、ブルー)で製作した場合、プロセスカラー印刷を行うためには、データをRGBからCMYKに変換する必要があります。この変換は、グラフィックソフトの機能を利用してデザイナー自ら行うこともできるし、印刷会社に頼んで変換してもらってもいいでしょう。
CMYKの4版を使って印刷を行うのが、もっとも一般的なカラー印刷の工程ですが、場合によってはインキ色を増やしたり、一部のインキを取り替えたりすることもあります。
CMYKのほかに「特殊インキ」と呼ばれる特定色のインキをプラスしたり、あるいはCMYKのいずれかを特色インキと取り替えるといったケースがそれにあたります。
なお、最近ではRGBによるあざやかで透明感のある色合いにユーザーが慣れたことに起因して、印刷にもより広い色域の再現が求められる傾向にあります。そこで、印刷関連各社では、特色インキによる調整ではなく、CMYKというプロセスインキのセット自体を、色合いのあざやかな独自開発のインキセットに取り替えて、よりユーザーの要望に使い仕上がりにする場合もあります。
印刷インキについて
インキは色材である顔料30%~60%、インキ流動性をあたえるビヒクル35%~65%をミキサーで混ぜペースト状にしてからローラーで練って作ります。ビヒクルの種類・や量によってインキの性質が変わります。必要に応じて助剤を加えます。
印刷インキの種類
酸化重合タイプ
枝葉のコート紙やアート紙への印刷に用いられます。平版インキや凸版インキがこれに相当します。乾性油を主成分とするインキの印刷面に、空気中の酸素が吸収されてビヒクル分子をつなぎ合わせ、綱状の巨大分子として乾燥膜を形成します。
蒸発タイプ
オフ輪印刷やグラビアインキのように、インキが被印刷体に転移した後、加熱によりビヒクルが蒸発して、固形膜を形成するタイプをいいます。
浸透タイプ
新聞インキのように、インキが被印刷体に移転した後、ビヒクルが被印刷体の中に浸透して、個性膜を形成します。
紫外線軟化タイプ
UV(紫外線)インキのように、特定のエネルギ分布をもつ光を照射させることによって、科学変化を起こして乾燥するタイプです。
耐熱性タイプ
フレキソ印刷やグラビア印刷によるパッケージは、内容物の充填工程において、熱板によってインキ面に熱がかかるので、このような熱に対して耐性をもったタイプです。
耐光性タイプ
屋外で使用するポスターのように、長時間太陽光にさらしておいても、退色(変色)しにくいタイプです。
耐摩擦性タイプ
段ボールやカートン等は、輸送のときに相互に擦られる可能性が大なので、このような摩擦があって損傷しにくいタイプです。
耐薬品性タイプ
薬剤、化粧品、食品のパッケージのように、酸やアルカリ、アルコールやパラフィン等に対して、退色・変色・溶解しにくいタイプといいます。
特色インキを使った印刷
写真を多色分解して特色を補う
トーンの美しい写真やイラストを印刷で表現するとき、色の再現性を高めるため、図版原稿を多色分解して、CMYKのほかに特色を補うことがあります。写真集で写真を原稿どおりに再現した場合や、絵本の印刷などで原画のカラートーンを正確に再現したい場合などに多用されるテクニックです。この場合は、多色分解のための版のつくり方、補う特色の選び方などが、仕上がりを決定する要因となるわけですが、デザイナー自身が直接携われない工程もあるので、経験豊富な製版技術者の判断に任せるのが妥当です。事前に印刷会社と打ち合わせを行って、どのような仕上がりイメージを求めているのかをしっかり伝え、それにもとづいた工程を組んでもらうのがよいでしょう。
印刷事故解決策の一例
モノトーンの写真を印刷する場合
をスミ1色の印刷でトーンが浅くなりがちなので、2~3色印刷用の分解を行い、ダークグレーやダークブルー、ダークブラウンなどの特色を補います。
鉛筆デッサンの作品集を印刷する場合
スミ1色の印刷では鉛筆のタッチが生きません。2色分解を行い、スミのほかにダークグレーかシルバーなどの特色を補います。
絵画・カラー写真を印刷する場合
あざやかなオレンジ、明るい緑、深みのある青系の色などの再現性が落ちます。多色分解を行って、適切な特色を補う、小さめの写真原稿を極端に拡大する、カラートーンが鈍く、暗くなることがある場合、原稿を多色分解にして明るめの特色や蛍光色を補う、などの作業を行います。